リウマチによって関節に負担が加わると日常生活に大きなマイナスになります。このため、関節への負担を減らして生活の質を保つことを考える必要があります。
関節への負担を減らす基本は炎症をコントロールすることです。そのためには病因との関係や日常の基礎療法が重要になってきます。
炎症を抑え、骨へのダメージを防ぐ
関節への負荷を減らす一番のポイントは炎症を抑えることです。炎症とは組織の血管が拡張し、周囲に血管から水分が漏れ出て白血球が集まっている状態で、組織や白血球から痛みや炎症の原因物質が放出されることで炎症が持続します。これだけであれば抗炎症剤の投与や、炎症の原因の除去だけで済むのですが、炎症が起こると周囲の組織が徐々に壊れてしまうのです。
炎症によって起こるダメージで気をつけなくてはならないのが骨へのダメージです。炎症が繰り返すと、骨を壊す働きと骨を作る働きのバランスが崩れ、骨の変形や骨の量の減少が起こります。このため、リウマチのような慢性的な関節炎症は骨や軟骨に大きなダメージを与えることがあります。
慢性的な炎症をコントロールするためにも医師から処方された薬を適切に服用し続けなければなりません。薬の副作用が不安になるかと思いますが、薬による副作用を考えながら医師や薬剤師も薬を処方しています。しっかりと薬を使って炎症をコントロールしましょう。
過度な運動を避け、骨に負担をかけない
関節への負担を考えると過度な運動は避けなくてはなりません。リウマチによる関節の「こわばり」を取るためには適度な運動が必要なのですがあまりに過度な運動になってしまうと関節に負荷が加わってしまいます。関節が炎症を起こしている状態で運動をやりすぎるとかえって炎症を引き起こすきっかけにもなります。無理のない範囲の運動を行いましょう。
適度なストレッチで関節の動きを保つ
関節の動きが少なくなるとこわばりが大きくなったり、運動のたびに関節が過度に引っ張られてしまい、大きな負担になります。そのため、関節をスムーズに動かせるようにストレッチが重要です。ストレッチによって、関節周囲の血流や関節周囲の筋肉の血流が良くなり炎症が抑えられ痛みが和らぎます。痛みが引いたり関節の動きがスムーズになることでさらに動きやすくなり日常生活や運動がかなり楽になるので、適度なストレッチを継続しましょう。
日常生活に工夫をして、関節への負担を和らげる
日常生活に少しずつ工夫をすることで関節に無理な負担をかけずにすみます。キッチン周りや寝室、トイレだけでなく、入浴時にも関節に負担をかけないようなアイデアを取り入れましょう。
例えば、寝具は布団ではなくベッドを使ったり、キッチン周りも無理に手を伸ばすことなく、頻繁に使うものを取り出しやすい位置に置くだけで非常に生活が楽になります。少しの工夫でいいので、生活の動作を見直してみることが大切です。
クーラーの使用も気をつけなくてはなりません。関節を冷やしてしまうと関節の動きの悪化に繋がります。こまめな温度設定の調整や直接冷やさないようにタオルやブランケットを活用しましょう。