関節リウマチの症状




関節リウマチに特徴的な症状を把握しておくことは関節リウマチの早期発見・早期治療に役立ちます。自分の状態に異常を感じたときには早めに医師に相談し、早期の治療を心がけましょう。

関節の炎症による症状の変化

⒈ 初期の関節リウマチ

関節リウマチの初期症状は自己免疫の異常による関節炎で、関節を包み込んでいる関節胞の腫れや関節胞の内側にある滑膜の増加します。このため、炎症が起こった部分には水分が溜まり、寝て起きた朝には関節がこわばってうまく動きにくくなります。また、痛みも徐々に出始めてくるので、この頃になって病院を受診し、関節リウマチと診断される人が多くなってきます。

⒉ 炎症が悪化すると

炎症が悪化すると滑膜から分厚い炎症性の組織がふくれ上がり、骨や軟骨を圧迫します。レントゲン写真をみると関節同士の隙間が徐々に狭くなっていることが観察できます。このような症状がで始めたころには関節の痛みが強くなってきているので、思うように歩いたり生活を送ることが難しくなります。

3. 長期の炎症が続くと

炎症が長期間続くと、関節を動せなくなり、関節を作っていた骨同士が結合してしまいます。炎症の進行により骨同士がくっつく過程で、本来の骨同士の位置関係が変化した「亜脱臼」という状態になり、関節を動かすことが完全にできなくなります。

このような症状は全身の関節に現れ、起こる関節によって様々な症状が現れてきます。

症状の種類

ボタン穴変形

手の指の第2関節に異常が出て、第2関節が常に曲がった状態に変形します。指先の第1関節は逆に方向に変形するのが特徴で、手の細かい動作ができにくくなりますが、日常生活への影響はそこまで大きくありません。このボタン穴変形という呼び名は、指の変形を起こしている第2関節の真上を通っている腱に穴が開き、ボタンの穴のように見えることから名付けられています。

スワンネック変形

手の指の付け根の関節が変形し、著しい機能障害の原因になることがあります。症状がひどく生活に大きな負担がある場合には手術によって、改善をはかる必要があります。スワンネック変形は、指の形が白鳥の首に似ていることから名付けられていて、リウマチの患者さんに特徴的な手の変形です。

尺側偏位

手の指の付け根の関節が亜脱臼するで起こる変形で、指がすべて小指側に倒れこみます。この障害は機能障害の程度が軽いので、リハビリにより障害の進行を食い止めることができます。

外反母趾

足の親指の付け根の関節が亜脱臼を起こすことが原因の関節の変形です。足の親指が小指の方向に変形し、やがては歩行困難を引き起こすことがあります。このため、症状があまりに進行する場合には手術を検討し、歩行の状態を維持することが必要になってきます。

環軸関節亜脱臼

首の骨にまで炎症が広がると首の付け根にある骨が亜脱臼を起こすことがあります。この亜脱臼によって首の神経が圧迫されることで、運動障害や頭痛などの障害が現れます。定期的に検査を行い、状態を常にチェックしなければならない関節の変形障害です。

このように関節の異常は、どの関節に起きた炎症なのか、どの程度変形したのかによって症状や変形の仕方が大きく変わってきます。常に医師と共に症状を確認し、適切な治療を受けることが必要なのです。