関節リウマチにはさまざまなな治療法があります。外科的な治療や内科的な治療を組み合わせたり、治療に並行して症状の進行を食い止めるためのリハビリテーションも行われます。
病院で行われる治療
1. 内科的な治療
リウマチの内科的な治療の基本は「投薬治療」、つまり薬を使った治療です。
投薬治療ではまず、炎症を抑えるための薬と、原因を治すための治療を行います。このような薬を使った治療で、原因であるリウマトイド因子の量を減らしたり、体内で起こっているしつこい免疫の異常を抑制することができます。
投薬治療で使われる薬
- 炎症や痛みを抑えるための薬
- リウマチの原因を治すための薬
2. 外科的な治療
外科的な治療では失われた機能の回復を目的として行われます。特に関節の障害で歩行に支障をきたした場合や、腕・肘・手首などの日常生活で重要な動きをする部分の関節に問題が出た場合には、真っ先に治療が検討されます。手術では状態に応じて人工関節を使用した「関節置換術」や、リウマチの痛みの原因である炎症により増えすぎた「滑膜の切除」を行います。
このほかにも壊れた関節の形を整える「関節再建」や「手に腱を移植する手術」を行うことで、日常生活で必要な動作を取り戻していきます。
外科治療で行われる手術
- 人工関節に置き換える手術
- 滑膜の切除
- 関節再建
- 手に腱を移植する手術
3. リハビリテーション
リハビリテーションでは失われた機能を取り戻すための治療が行われます。特に日常生活で支障をきたしている場合、関節や体の機能を回復させることで患者さんの生活の質を向上させ、関節の破壊による運動の制限をかなり取り戻すことができます。また、症状の悪化を防ぐためにもリハビリテーションは欠かせません。
患者さんが行う基礎療法
関節リウマチでもっとも特徴的な治療は「基礎療法」です。基礎療法は患者さん自身が日常的に注意を払い、努力することでできる治療です。
この基礎療法が定期的に行われ、患者さんが自分で日常生活をコントロールすることで治療の効果が出やすくなるといわれています。
基礎療法では、患者さんが病気について学び、冷静に症状に対処していくことが必要になります。あらかじめ自分の症状についての知識を持っておくことで、周囲の方に負担をかけることなく過ごすことができるので、とても大切です。
ほかにも、基礎療法としては保温と冷却を有効活用した対処方法があります。関節リウマチでは極力関節の温度を上げることは避け、大きな温度変化が起こらないように気をつける必要があります。
運動療法は医師と患者の協力関係が重要
関節リウマチの運動療法では、適度な量で留めておくことが重要です。運動の負荷が強すぎると関節の炎症が悪化してしまいます。医師と相談して適切な運動の量を決めていく必要があります。
肩を動かしたり、指を動かしたり、適度な散歩や腰や膝のストレッチを行うことで、患者さんの日常動作を問題なくできるように訓練をすることができます。
運動の計画は関節の負荷を考えながら続ける必要があるので、医師と協力関係を維持しなければ運動を続けることができません。運動を継続するためにも体重など適正に管理し、規則正しい生活を送り、体の状態を整えることが治療の基礎になります。