子供でもリウマチになること事をご存知でしょうか? リウマチになる方は成人女性が多いのですが、実は小児科でも子供のリウマチを扱うことがあるのです。子供のリウマチ治療には大人とは違った観点が必要なので注意が必要です。
大人のリウマチ | 子供のリウマチ | |
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症状 | 関節の炎症や運動の制限、痛みが主な症状。全身の炎症はあまりない。 | 関節の炎症を起こすタイプと全身の炎症を起こすタイプがある。 |
検査 | 主にレントゲン写真の撮影、血液検査を行う。 | 大人と同様にレントゲン写真の撮影や血液検査を行う。 |
薬 | 抗リウマチ薬、免疫抑制剤、鎮痛薬などを使う。 | 大人と同様の薬を使う。 |
外科的な治療 | 関節の成長が進まないので日常生活を考えた手術。 | 成長を優先した手術。 |
1. 子供のリウマチ
子供に起こるリウマチとして知られている病気が「若年性特発性関節炎」です。若年性特発性関節炎は、全身に症状が出る「全身型」と関節のみに症状がでる「関節型」の2種類があります。関節型にはさらに2種類の関節の炎症に分かれていて多関節型と少関節型に分類されています。関節の炎症は大人の関節炎と同様に関節炎を繰り返し、関節の痛みを頻発します。
2.若年性特発性関節炎の主な症状
全身型 | |
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関節型 | 多関節型 |
少関節型 |
1. 全身型の若年性特発性関節炎
全身型の若年性特発性関節炎の特徴は「弛緩熱」という繰り返し起こる発熱です。全身の発疹(リウマトイド疹)や「胸膜炎」という肺を包む膜の炎症が主です。ほかにも「マクロファージ活性化症候群」という、肝臓と脾臓の腫れが起きる病気を併発することがあります。
2. 少関節型の若年性特発性関節炎
発症する関節の数が4関節以下に限られていて、多くの場合は膝や肘など大きな関節に症状が起こります。このタイプの関節炎では「ぶどう膜炎」という目の病気を併発し、悪化すると失明の可能性もあるので眼科の医師と協力して治療を行います。
3.多関節型の若年性特発性関節炎
多関節型の若年性特発性関節炎は、左右の膝や手などで痛みや腫れがみられます。人によっては首の関節や顎の関節など、多くの関節で炎症が起こり、微熱や倦怠感などの全身の炎症特有の症状が出ます。
3.検査法について
関節炎の検査はまず問診から始まります。保護者の方から日常の生活の状態をうかがい、レントゲン写真や血液検査などを行います。一連の検査で、関節の状態を確認し治療のためのデータを集めます。
4. 若年性特発性関節炎の治療法
子供の治療は大人と違って「成長」を考えた治療を行います。炎症を抑え、リウマチの原因の免疫機能の異常をコントロールします。
1. 全身型の場合
全身型の場合には発熱などの全身症状を抑え、炎症の状態をコントロールします。まずはステロイドや抗リウマチ薬を投与し、炎症を鎮めます。この治療で症状が治まらない場合には、生物学的製剤を用いた治療に切り替えていきます。
2. 関節型の場合
関節型の場合には、非ステロイド性消炎鎮痛薬や免疫抑制剤を使った治療をします。この治療によって改善がみられない場合には生物学的製剤を使った治療に切り替えます。
これらの治療に加えて手術やリハビリを組み合わせて治療を行い、関節の成長を手助けしたり、痛みを除去して動きを取り戻せるように手助けをします。