関節リウマチと症状が似ている病気・なりやすい病気




関節リウマチは、関節リウマチ以外の病気を併発することがあり、毎日の生活を営む上で大きなトラブルのもとになります。
リウマチに関連した病気の症状と対処法を知っておくだけで、万が一症状が現れても早期に治療が可能になるでしょう。

リウマチ関連の合併症の種類

シェーグレン症候群

シェーグレン症候群は唾液を作っている「唾液腺」に体を守る免疫が働いてしまうことで発症する病気です。このほかにも涙を作り出す場所にも誤って体が攻撃することで、涙の分泌量が減少することがこの病気の特徴です。

症状

口や喉の渇きやドライアイです。また、口が渇くことで虫歯になりやすくなります。目の中に何かゴミが入ったような異物感を感じるので、目の疲れや目の充血なども現れます。

治療法関節リウマチと関連のある疾患(症状が似ている疾患と関節リウマチと併発しやすい疾患)

人工の涙の点眼や水分の摂取が主な治療です。最近では人工の唾液なども販売されているので、口の乾燥がひどい場合にでも、症状を軽くすることができます。炎症を抑えるためにはステロイド薬の内服が必要になるので、リウマチの症状などの様子を見ながら使用します。

肺線維症

リウマチにかかると肺の炎症が起こり、肺を作っているコラーゲンの炎症である間質性肺炎を繰り返すことで肺の中にさらにコラーゲンが溜まってしまい、肺全体が硬くなることがあります。この肺の変質が「肺線維症」です。

症状

ちょっとした動作で呼吸困難になり、肺が伸び縮みしにくくなるので、空気の交換がうまくいかないことが原因です。

治療法

炎症を抑えるためにステロイド剤(炎症を抑える薬)を投与します。症状がひどい場合には在宅酸素療法という、日常的に酸素吸入を行う治療を検討します。

壊疽性膿皮症

皮膚の表面に膿を含んだ小さな炎症がたくさん出てくる病気で、やがて炎症がお互いに融合し大きくなっていきます。さまざまな皮膚への刺激が原因で炎症が誘発されるので、皮膚に刺激が加わらないように気をつける必要があります。

症状

初期には皮膚の表面に小さいニキビのような「膿疱」というプツプツした炎症が出現します。やがてこの膿疱がお互いに合体し、大きな皮膚の炎症を作ります。

治療法

リウマチの治療を最優先して行い、同時に炎症を抑えるステロイドの塗り薬を使用します。

症状が重い悪性関節リウマチ

関節リウマチ単独の症状に加えて関節外症状や、合併症、血管の炎症などが合わさって現れた状態を「悪性関節リウマチ」といいます。悪性関節リウマチでは症状がとても重篤になることがあるので、複数の症状が現れた場合には医師に相談しましょう。

「いつものリウマチ」と思っているといきなり症状が悪化することもあるので、症状が出始めた段階で、医師に相談をし、定期的に症状の診断を受けることが大切です。
悪性リウマチは全リウマチ患者さんの中で0.6%の患者さんにみられる状態で、特に50歳代の男性患者さんに多く見られます。症状が悪化することで死に至る可能性もあるので、医師と連携を保って治療に臨みましょう。